太陽光発電の可能性を開く実証実験に成功
三菱重工業は3月12日、兵庫県の神戸造船所内にて、宇宙太陽光発電システムの無線送電の実証実験を実施し、長距離の無線送電に成功したと発表した。
宇宙太陽光発電システムは、太陽光パネルを宇宙空間に打ち上げ、静止軌道上の太陽電池で発電。その後、マイクロ波/レーザーにより地上に送り、地上で再び電気エネルギーに変換するシステムである。クリーンで安全、枯渇しないエネルギーとして、将来の基幹エネルギーになると期待されている。
10キロワットの電力を500メートル無線送電
今回行われた実証実験は、送電ユニットから10キロワットの電力を無線送電し、500メートル離れた受電ユニットに設置したLEDライトを点灯させるというもの。無線送電距離500メートルは国内最長で、10キロワットも国内最大電力となる。
同時に送られたビームが受電ユニットの外へ放射しないように制御する、最先端の制御システムの適用試験も実施し、問題なく稼働することも確認された。
無線電力伝送技術は、送電に欠かせなかったケーブルが不要になる新技術で、今回の実験成功により、長距離の無線送電の道が新たに開かれた。
これまで送電線の設置が困難だった場所でも電気が使えるようになり、さらには洋上の風力発電から陸上への送電、電動車両への無線充電など、さまざまな分野での利用が期待される。
▼外部リンク
三菱重工業株式会社のプレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/1503125626.html