建設機械のロボット化を促進株式会社IHIは2月19日、株式会社熊谷組がIHI建機株式会社と共同で、「CAN制御車両の遠隔操作システム」の開発を行い、雲仙普賢岳の無人化施工適用現場「赤松谷川11号床固工工事」で使用し、実用化に成功したと発表した。
耐ノイズ性能に優れ、柔軟な利用が可能なCAN(Controller Area Network)は車両などの装置の通信として利用される双方向のネットワークで、遠隔操作にも応用されつつある。
今回開発されたシステムは、建設機械に標準装備されたCANを使用して、通常使用される遠隔操縦用制御装置を使うことなく、操作レバーや車両の情報をそのまま無線LANで遠隔地に飛ばして操作するというものだ。
土砂崩落の恐れがある場所など、人が立ち入ることが危険な災害地において、遠隔操作式建設機械による無人化施工での復旧が増えており、一般的な建設工事へのロボット技術の導入促進が求められている。
これまでは、遠隔操作を行うため、建設機械に専用の無線システムを組み、電磁弁等の設備を追加する必要があり、改造などの時間とコストがかかっていた。
同システムは改造やコストの面での問題を解決し、変換装置とジョイスティック等の必要な装置に無線を追加することで安価に遠隔操作式建設機械を提供することが可能となる。
また、CANの信号をそのまま伝送することで、操作情報を車両側と操作室側で共有でき、搭乗時とほとんど変わらない操作性を保つことができる。
両社は今後、適用機種を増やしこうしたロボット群を現場で効果的に適用できるように周辺機器等の開発を進め、現場での適用の範囲を拡大していく考えだ。
(画像はプレスリリースより)
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株式会社IHI プレスリリース
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