試作防護柵の実験を公開
国土技術政策総合研究所(国総研)は、道幅の狭い生活道路での交通事故対策として、車両が歩道に突っ込む事故を防ぐ「生活道路向け防護柵」を開発し、茨城県つくば市にて試作の防護柵を使った実験を報道陣に公開した。
従来よりスリムに
今回開発した防護柵は断面幅が15.5センチメートルと従来のガードレールに比べスリムになり、狭い生活道路に設置するのに適している。
実験では、8トンの中型トラックが時速40キロメートルで走行し10度の角度でこの防護柵に衝突したが、柵の上部が歩道側に約10センチメートルたわんだだけでその性能が実証された。
増える通学時の交通事故
子供の交通事故のうち約6割が自宅近くの生活道路で巻き込まれ、7~9歳の交通事故の割合は全体平均の約2.5倍にものぼり通学路での安全対策が急務となっている。
早期実用化へ
このような事故から歩行者を守るためにガードレールがあるが、設計上車両の衝突を想定しておらず人がはねられるのを防ぐことは難しかった。生活道路で事故を起こしている車両の97.4%は普通乗用車以下の軽い車両であることから、現実に即したより効果的な安全対策の研究が進められていた。
国総研では今回の実験で防護柵の効果が実証ができたことから早期の実用化を目指す。
(画像はプレスリリースより)
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国土技術政策総合研究所
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