竹中工務店は1月13日、病院の医療スタッフ同士のコミュニケーションを促す設計プランのためのシミュレーションツールを開発し、実用化したと発表した。
医療の高度化、複雑化が進むとともに、医療サービスも多職種間で連携して行うチーム医療が主流になりつつある。
チーム医療では医師を始め看護師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、栄養士、事務職員など幅広い職種の人たちが一つのチームを組んで医療に当たるため、緊密なコミュニケーションが求められる。
良好なコミュニケーションは、会議などの定例的な話し合いだけで育むことは難しい。立ち話など日常業務の中での、ふとした機会に訪れるインフォーマルなコミュニケーションが親密な雰囲気作りに大きな効果を与えることはよく知られている。
そこで竹中工務店では、インフォーマルなコミュニケーションを生み出す環境を作るために、スタッフの行動を基に「いつ、どこで、誰と誰が出会い、どの程度のコミュニケーションが発生するか」をシミュレーションし、その様子を動画で再生するツールを開発した。
動画で確認しながら設計プランを検討できるので効果がわかりやすく、複数の関係者間での合意も得やすい。
このシミュレーションツールは、新潟県長岡市の立川綜合病院で実際に活用され、コミュニケーション量が約20%向上する設計プランが採用された。
インフォーマルなコミュニケーションは医療施設だけでなく、オフィスや工場などでも必要とされる。このため竹中工務店では今後、幅広い施設の設計に積極的に活用していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
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株式会社 竹中工務店のプレスリリース
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株式会社 竹中工務店
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