1月7日、横河電機株式会社の子会社であるヨコガワエンジニアリングアジアは、国営ベトナム電力公社(EVN)によって建設されるタイビン石炭火力発電所向け制御システムを東芝プラントシステムから受注したと発表した。
タイビン石炭火力発電所は、同国北部タイビン省タイトゥイ地区に新設される発電所で、発電容量30万キロワットの発電ユニット2基(総出力60万キロワット)によって構成。第1ユニットの操業開始は、2017年10月を予定している。発電所の電気設備等は、発注先の東芝プラントシステム株式会社が請け負う。
同社が受注した統合生産制御システム「CENTUM VP(センタム・ブイピー)」は、横河電機が1975年に世界初の分散形制御システムを発売して以来、35年以上にわたって培った技術と経験を集約した、シリーズ9世代目の製品。それに加えプラント情報管理システムも受注。
現地法人のヨコガワエンジニアリングアジアが、これらの製品の納入、エンジニアリング、機器の据付支援、試運転支援、及び運転員訓練の支援を行う。第1ユニット向けには2016年9月までに納入する予定。
今回の受注は、ファライ第2、ブンアン第1、ギソン第1、及びモンズオン第2石炭火力発電所をはじめとし、同国の大型火力発電所施設に多数納入してきた実績。さらには、信頼性と長期安定性が評価されたようだ。
国際エネルギー機関(IEA)が、2013年11月に発表したSoutheast Asia Energy Outlook – World Energy Outlook Special Reportで、1990年以降、東南アジアのエネルギー需要は2.5倍に拡大しており、経済と人口の動向から見て、今後もこの伸びは続くとしている。
2011~2035年、東南アジアに於ける電力需要の見通しは、発電の増加量において現在のインドの発電電力量を上回る。この地域では石炭が比較的豊富に採れ、価格も手頃なため、石炭が発電に占める割合は現在の3分の1未満から2035年にはほぼ半分へと上昇する。
現在ベトナムでは、建設中のプロジェクトも含め、石炭火力発電所だけで30発電所以上が計画されている。電力部門向け投資の拡大が期待される東南アジア諸国の中でも、発電所の建設計画が最も活況な国である。同社は、今後ベトナムをはじめとする東南アジアと南アジアの電力分野向け制御ビジネス市場での飛躍を年頭に掲げた。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
横河電気プレスリリース
http://www.yokogawa.co.jp
統合生産制御システムCENTUM VP(センタム・ブイピー)
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