ヒューマンタッチ株式会社は建設業に特化した人材関連の情報や最新の雇用関連データなどを掲載した「ヒューマンタッチ総研Monthly Report」の平成26年12月版を発表した。それによると、建設業の10月の就業者数は524万人(前年同月比102.7%)となり、8カ月連続で前年同月比増となった。
雇用者数は425万人(同101.9%)で、4カ月連続の前年同月比増、就業者数と同様に上昇傾向が続いている。一方で、新規求人数は66,823人(前年同月比96.3%)となっており、3カ月連続で前年割れという状況だ。
また、建設専門職(建築・土木・測量技術者)の雇用動向についてのデータによると、10月の有効求人倍率は4.06倍(対前年同月比+0.10 ポイント)で5カ月連続の上昇だ。
新規求人数は18,790人(前年同月比93.2%)で今年の5月から前年割れが続いている状況だが、8月の16,058人(同85.2%)を底に若干の増加傾向を見せている。
建設技能工(建設・採掘)の有効求人倍率は5カ月連続上昇の3.15倍(前年同月比+0.26 ポイント)、新規求人数は2カ月連続上昇の35,273人(同97.8%)となったが、有効求人数は95,870人(同99.4%)となり、今年初めての前年割れとなった。
建設業界では人材の高齢化が進行している。年々減少している建設投資などを背景に、長年にわたって新規採用を抑制してきたことなどが要因だ。
総務省の労働力調査によると、建設業の全就業者に占める55歳以上の比率は2002年の24.8%から2013年は34.2%に上昇している一方で、25歳から34歳の比率は23.0%から14.8%に低下している。
人材の高齢化によって、若手への安定的な技能継承が困難になると危惧されており、建設業各社は若手の積極的採用で年齢バランスの転換を図っている。
建設業界の年齢層別入職者数の比率を見ると、24歳以下の入職者数の比率は2009年の16.1%から右肩上がりで上昇、2012年には31.4%となり、25歳から39歳の入職者も27.2%から31.9%に上昇した。一方で、2009年では最も比率が高かった55歳以上は急激に減少し、40歳から54歳の比率も減少傾向となっている。
今後は、高齢化が特に顕著な地方都市も視野に入れた、若手人材の育成や若者にとって魅力ある業界となるための労働環境・条件の向上などが課題になるとのことだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
「ヒューマンタッチ総研Monthly Report」平成26年12月版
http://human-touch.jp/news/ht_soken/m_Report201412.pdf