免震工事で使用できるスペースを拡大
奥村組は11月26日、免震レトロフィット工事の新工法を開発したと発表した。
これまでの免震レトロフィット工法では、免震階より上の階の荷重を支えるために、他の階の梁を補強する必要があった。このため工事中は建物内で使用ができないフロアが多く、利用者が大きな制約を受けるという課題があった。
「増し打ち方式」と「乾式方式」で上層階を支える
奥村組が新開発したは、この課題を解決するための工法。免震装置を設置する階以外は、全てのフロアが使用できる。新工法は神奈川県住宅供給公社の、13階建て建物の免震改修工事に適用された。
免震装置を設置する階より上のフロアを支える方式は、「増し打ち方式」と「乾式方式」の2方式。増し打ち方式では、免震装置を設置する既存柱を鉄筋コンクリートで増し打ちし、PC鋼棒で固定する。
乾式方式では、免震装置を設置する既存柱を脱着できるの鋼製治具で囲み、PC鋼棒で圧着する。
どちらの方式も免震階の柱だけで上層階の荷重を伝達できるため、その他の階の梁を補強する必要がない。建物内の使用可能スペースが大幅に拡大するとともに、工期短縮や工費のコストダウンにも貢献する。
今後は、免震階以外にも工事範囲が広がることを嫌って実施を見送ってきた庁舎や病院などに、積極的に営業展開を行う方針だ。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
株式会社奥村組のニュースリリース
http://www.okumuragumi.co.jp/news/2014/index4.html