ガソリンなどの油に汚染された土壌の再利用が期待できる画期的な工法が発表された。
大和ハウス工業と立命館大学は先月29日、ガソリンスタンド跡地や工場跡地など油で汚染された土壌を活性炭とバイオ(油分解菌)を活用して改善する日本初の油汚染土壌対策工法を開発したことを明らかにした。
同工法は「オイルバクット(OIL BACT)工法」と呼ばれ、ガソリンなどに汚染された土壌の石油成分を、自然界にいる微生物「ロドコッカス」と「ゴルドニア」という2つの油分解菌を用いて水と二酸化炭素に分解し、さらに活性炭を用いることで油の臭いまで抑えられるというもの。
立命館大学生命科学部の久保幹教授らが行った実験によると、油分解菌だけでは、油臭・油膜を解消するのに約1カ月かかったそうだが、菌を活性化させて強力な油分解菌にし、そこに油分解菌の油分解効果を阻害しない特殊な活性炭を混ぜ合わせて使用すると1時間で解消できたという。従来の油分解菌では分解が難しいとされていた重油や機械油なども分解できる。
油に汚染された土壌を再利用するためには、汚染された土壌の運搬や焼却処理が必須だが、新しい工法を使えばその必要もなく、コストが約半分で済む上に、二酸化炭素の排出量も約7割低減することができる。
大和ハウスでは今後、同社で取り扱うガソリンスタンド跡地や工業地の再開発で新工法を導入していくことを表明しており、実績を積み重ねた上で、外部販売も検討していくとしている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
立命館大学
http://www.ritsumei.jp/news/detail_j/topics/13144/
大和ハウス工業
http://www.daiwahouse.co.jp/release/20141029092448.html