2つの技術を開発
大成建設は10月15日、泥水式シールドトンネルで発生する自然由来ヒ素の汚染土壌を浄化する技術と同時に、浄化する際に使用した鉄粉のヒ素吸着能力を、新品同様に回復させる鉄粉リサイクル技術も開発したことを発表した。
シールドトンネル工事での掘削時に遭遇する、自然由来ヒ素を含む土壌の処理において、浄化し、有効に活用する方法が求められていたという。
(画像はニュースリリースより)
技術概要
この技術は、ヒ素吸着用鉄粉を用いて攪拌混合し、泥水中のヒ素を、永久磁石磁気搭載の分離装置にて回収することで、二次処理土のヒ素溶出量を環境基準値以下に低減するものである。
分離装置はコンパクトで、1時間あたり120立方メートルの処理能力があるため、限られた場所でも扱うことが可能だ。
また、特殊な酸を用いることでヒ素飽和状態の鉄粉の吸着能力を回復し、新品の鉄粉と同様に使用する技術を開発したことで、鉄粉使用量の大幅な低減とコスト削減に期待が寄せられる。
今後の展開
大成建設は、環境基準値を4倍程度超過している自然由来のヒ素汚染土を用いて、試験を行った結果、汚泥重量に対して鉄粉の投入量5%、攪拌時間15分で、泥水中のヒ素濃度が環境基準値以下となり、鉄粉もほぼ全量回収できたとしている。
この結果をふまえ、同社では、今後の泥水圧シールドトンネル工事において、広くこの技術を提案していく方針だ。
▼外部リンク
大成建設 ニュースリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2014/