日立製作所(以下、日立)は、8月26日、シンガポール共和国(以下、シンガポール)科学技術研究庁傘下の電力グリッド研究センター(以下、EPGC)と先進の熱電協調制御システムを新たに構築し、EPGC施設内において実証運用を開始したことを発表した。
シンガポールでは、コージェネレーション(熱電併給)システムはあまり普及しておらず、商業ビルのCO2排出量は、2020年までに約14%を占めると見込まれるため、現在エネルギー効率の高いシステムが求められているという。
(画像はニュースリリースより)
今回、EPGCと日立が構築した熱電協調制御システムは、シンガポールの国家開発省などによる「ビルの省エネルギーに関する補助事業」からの資金援助を受けて構築。EPGCの持つエネルギー技術と、日立の省エネ空調制御システム、2つの空調制御システムを統合したものである。
具体的には、既存の発電システムと、これまで大気に排出されていた発電機からの余剰排熱を空調設備の動力エネルギーとして利用。ビルには、最も省エネ、省コストを実現する運転ポイントで空調設備を制御するため、エネルギー効率を向上させることができるという。
なお、実証試験では、発電システムのみで36%、ビル全体のエネルギー効率52%向上を見込む。
EPGCと日立は、3年間にわたり共同研究プロジェクトを推進してきた。
日立では、この共同研究の成果を元に、2015年の熱電協調制御システム実用化をめざし、これからもアジアを中心に環境配慮型ビルや工場の普及促進に貢献するかまえだ。
▼外部リンク
日立製作所 ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2014/08/