東洋建設株式会社(本社:東京都江東区、社長:武澤 恭司)は、港湾施設等の維持補修・更新の際、海上土木作業を支援するツールとして、ユニット式吊足場「フレキシブル・シー・ステージ(Flexible Sea Stage:以下、FSS )」を開発したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
これまでの港湾施設での作業といえば、桟橋下や護岸全面での調査点検・維持補修のため単管と足場板を組み合わせた吊足場を設置していたが、設置・撤去とも日数がかかるため、いったん足場を設置すると工事を中断することはできなかった。
つまり、供用中の港湾施設での作業は設置・撤去のための時間も含めまとまった一定期間を要し、船舶の着岸スケジュールとの調整を余儀なくされた。
そこで、同社ではより設置も撤去も簡易にできる吊足場の開発に着手し、このほど新開発されたのがFSSだ。この吊足場は、陸上での組み立て式のため設置・撤去とも簡単にできるため安全で、工期もそれに伴うコストも大幅削減が実現できる。
(画像はプレスリリースより)
従来なら設置に2.5日、撤去するのに1.0日かかっていた日数を設置/撤去とも0.5日に短縮可能だ(ともに幅5.0メートル×18.0メートル=1ブロック当りでの試算値)。
何といっても着岸する船舶とのスケジュール調整が不要な点で画期的で、スケジュール調整を理由に後倒しになりがちだった補修やメンテナンスも即可能なため、港湾施設の運営上の安全にも大きく貢献できそうだ。海上土木を得意とする同社ならではの発明で、特許出願中(特願2014-115796)だ。
同社は、東日本大震災以降だけでも釜石港、宮古港、石巻漁港、小名浜港などで数々の災害復旧の実績ももつ。
今後は高度成長期に整備されたあまたの港湾施設が建設後50 年を迎えるにあたり、調査点検・維持補修・更新等のニーズが見込まれるという。同社はこのFSSをフルに活用し、これらのニーズに積極的に応えていく考えだ。
▼外部リンク
東洋建設株式会社 プレスリリース
http://www.toyo-const.co.jp/topics/technicalnews-4314