日立製作所は7月10日、大阪市の「あべのハルカス」で使われる「熱源設備の最適化制御システム」の納入か完了し、本格稼働を開始したと発表した。
「あべのハルカス」は高さ300メートル。日本一の超高層ビルとして、今年3月にグランドオープンした。駅、百貨店、美術館、オフィス、ホテル、展望台などが入居する最新の複合施設で、膨大なエネルギーなどを消費する。
このため、年間約5,000トンのCO2削減を目指しており、日立の「熱源設備の最適化制御システム」も、エコ対応製品として受注された。
日立が納入した最適化制御システムは、稼働情報をリアルタイムに収集し、即座に演算。CO2排出量やランニングコストの最適化を、自動で行う。
(画像はニュースリリースより)
「あべのハルカス」では熱源設備に、電気式とガス式の両方を取り入れている。このため、どちらのエネルギー設備を、どのような制御設定値で運転すべきかといった演算は非常に複雑だ。
日立の制御システムは、独自のアルゴリズムを用いて、どんな複雑な演算でも瞬時に行い、最適な数値を常に算出するという。
さらに、「あべのハルカス」で使用される電気やガスに関する、あらゆるデータの一元化・見える化を行い、効率的な運転管理を実現した。これらのデータは、「あべのハルカス」内の専用ネットワークを通じて、施設管理を行う関係者全員で共有できる。
日立が今回納入した「熱源設備の最適化制御システム」は、10月から販売される統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia(エミリア)」にも新機能として組み込まれる。
日立では今後、「EMilia」をエネルギーマネジメントサービス事業の柱となる製品と位置づけ、省エネ・業務効率向上・BCPなどの課題解決型サービスとして積極展開する方針だ。
▼外部リンク
株式会社日立製作所のニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2014/07/0710.html