清水建設と新日鐵住金は、7月8日、薄手の鋼板2枚を重ねただけの非常にシンプルな構造の床免震システム「シミズ安震フロア」を共同開発したことを発表した。
このシステムは、既存手術室の耐震化の促進を目的として開発。国内にある約8,000医療施設のうち、建屋免震の比率はたった1.2%とされ、たとえ耐震改修が不要な病院でも、大地震時に手術室の機能を維持できるとは言い切れない現状があるという。
(画像はニュースリリースより)
「シミズ安震フロア」は、改修・新築を問わず適用できるローコスト・短工期の手術室向け床免震システムで、製品コストは一般的な床免震の3分の2~2分の1程度。大地震時も手術スペースに作用する加速度を200ガル程度に低減するため、手術室の機能の維持に大いに貢献するとされる。
この装置は、「フロアプレート」、「免震プレート」、「ばね」から構成され、地震時には免震プレートがフロアプレートの上を滑ることで免震効果を発揮し、ばねの働きにより地震の収束時には免震プレートが元の位置に戻る、というシンプルな原理から成り立っているのが特長だ。
これら3つが作用することで、医療設備・機器の移動・転倒防止を図ることができるため、たとえ建屋免震になっていない病院でも、手術室としての機能が維持できるという。
清水建設は、このシステムは、工期も10日間ほどで済み、従来の床免震装置と比べ、装置が薄いため、改修工事への適用が容易になるとしている。
今後は、同社が窓口となり、普及展開を図るかまえだ。
▼外部リンク
清水建設・ニュースリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2014/2014017.html
新日鐵住金・ホームページ
http://www.nssmc.com/