欧米やアジアの主要都市に比べ、無電柱化が進んでいない日本の道路での無電柱化が現実味を帯びてきた。
電線を地下に通す無電柱化の推進を目指す自民党小委員会は18日、中間取りまとめ案を明かし、災害時に電柱が倒れて通行の妨げになるのを防ぐため、無電柱化基本法(仮称)を制定し、道路の新設と拡幅地に電柱の設置を原則禁止するよう提言した。2014年秋をめどに最終提言をまとめ、基本方針となる「無電柱化基本法(仮称)」を2015年の通常国会に議員立法で提出する意向だ。
これまで日本で行われてきた無電柱化は、事業者は道路管理者が協力して、地下に通信や電力のケーブルを収容する管を通す「電線共同溝」が主流だったが、コスト高と地下にスペースを取ることが課題となり、なかなか進んでいない。
今回の取りまとめ案では、諸外国と比べ無電柱化が進んでいない日本の現状を指摘するとともに、首都直下、南海トラフといった巨大地震対策や、2020年の東京五輪に向けた景観向上の面からも無電柱化は待ったなしだと結論づけた。
具体的な内容を見てみると、道路の新設、拡幅時に電柱設置を禁止するほか、既設の道路で無電柱化を進める場合は、事業者だけでなく地域の要望を反映させて工事を実施すること、コスト高と地下のスペース確保がネックになっている電線共同溝方式に変わり、場所を取らず、共同溝の数分の1の工事費で済む「直接埋設」方式を導入すべきとした。
今後、国土交通省、経済産業両省が電力、通信事業者などと調整を進めるもようだが、直接埋設方式を導入したとしても、電柱設置に比べ割高となることから、費用負担の在り方や、国が財政支援する場合の財源確保をどうするかなど課題は多い。
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ITS推進・道路調査会無電柱化小委員会
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