株式会社大林組(東京都港区、社長:白石 達)は、国立大学法人東京工業大学(東京都目黒区、学長:三島 良直、以下、東京工業大学)、株式会社ビジュアル・テクノロジー研究所(東京都世田谷区、社長:金谷 末子、以下、VTL)と共同で、「人の感じる明るさ感」を数値化した指標「明るさ尺度値」を利用した光環境制御システムを開発したと発表した。
新開発のシステムは、東京工業大学准教授でVTL取締役CEOの中村 芳樹氏が「人の感じる明るさ感」を数値化し指標とした「明るさ尺度値」を利用して開発された。
(画像はプレスリリースより)
このシステムの優れた点は、従来の照明が机上面の照度=物に当たる光の量を基準としていたのに対し、輝度=目に入る光の量を基準に人の視覚効果を利用することで室内の光環境を自動的に評価・制御、低照度と室内の明るさの両立を実現した。
最近業界でも注目されつつあったタスク・アンビエント照明の、照度のトーンダウンによる室内の薄暗い雰囲気をガラリと変えることができる。新しい視点からの発想は、従来の照明制御に対する常識を根本的に覆す画期的アイデアだ。
まず、照度に依存せず自然光や壁面への照明の反射も活用し人の視覚効果を最大限に利用できるため、快適性を維持しながら無理なく消費電力を60%削減(全般照明方式比)できること。
(画像はプレスリリースより)
次に、光環境制御技術は輝度測定システムと光環境評価システムを併用し、設備制御には標準的データ通信を採用するため、従来の一括照明制御と異なり後付けやリニューアルも可能なため経済的だ。
この技術開発は、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の「平成24年度戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の一環として実施され、大林組技術研究所(東京都清瀬市)本館テクノステーションでの実証試験において、省エネ性や光環境の快適性についても検証済みだ。
(画像はプレスリリースより)
同社は、ブラインド制御も視野に入れ総合的な光環境システムの拡張とシステム普及に向けた一層のコストダウンに挑戦するという。
省エネ効果の高いこのシステムを、新築のみならずリニューアル改修物件にも積極的に推奨し、地球環境にも配慮した社会貢献を目指す考えだ。
▼外部リンク
株式会社大林組 プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20140619_01
国立大学法人東京工業大学 ホームページ
http://www.titech.ac.jp/
株式会社ビジュアル・テクノロジー研究所 ホームページ
http://www.vtl.co.jp/
独立行政法人 新エネルギー・産業技術開発機構
【戦略的省エネルギー技術革新プログラム】
http://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100039.html