産業廃棄物向け放射能濃度検査装置を開発で震災復興へ貢献/日立造船

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産業廃棄物向け放射能濃度検査装置を開発で震災復興へ貢献/日立造船

2014年06月22日 12:00

被災地の早期復興に貢献

日立造船株式会社(大阪市住之江区、社長兼COO:谷所 敬)は、このほど応用光研工業株式会社(東京都福生市、社長:江原 直行、以下、OKEN)と共同で、東日本大震災で発生した災害廃棄物および焼却灰等に含まれる放射性セシウム濃度を測る放射能濃度検査装置「はるか」を開発したと発表した。

(画像はプレスリリースより)

福島県では除染過程で大量発生した汚染廃棄物や汚染土壌の多くは、その後の処理や保管方法などの確定前に汚染濃度を測定するため、フレコンバックに梱包され一時保管される。

しかし、これら廃棄物や汚染土壌が梱包された状態では線量計で放射能濃度を正確には測れず、手作業で個別に開梱したのでは途方もない手間暇がかかる。

そこで、産業廃棄物等をフレコンバックごと高精度で確実・迅速に測定できる装置の開発に取り組んできた。

新開発装置の特徴

「はるか」は最短70秒でフレコンバックの放射能濃度を測定できる。

そのしくみはフレコン毎に高さと重量を割り出し、さらに回転機構により梱包した検体濃度のばらつきを解消することで、放射能濃度をまんべんなく高精度に測定することに成功した。高濃度の放射性物質にも対応するためプラスチックシンチレーターも採用した。

今回の開発にあたり、その精度の高さにつき、2014年1月に独立行政法人国立環境研究所の協力により福島県内の某災害廃棄物保管場所で確認試験をすでに実施。

開梱して測定した数値と概ね一致したことも確認済みで、この試験結果の詳細につき、7月に開催される環境放射能除染学会でも公式発表予定だ。

コンテナユニット式で移動も簡便、短期間で設置も可能、仮置き場の廃棄物も迅速確実に仕分け・測定が可能だ。

中期経営計画を着実に遂行

同社は2014年度中期経営計画‘Hitz Vision Ⅱ’に掲げた事業目標「環境・クリーンエネルギー、社会インフラ整備と防災」の達成に向け、積極的に事業展開している。

これまで福島県県南地方、相馬地区に米袋の放射線検査装置「アスカHTX-100」30台以上、宮城県にがれき処理の仮設焼却炉を6基納入(2012年度実績)するなど復興支援に取り組んできた。引き続き事業を通じて安全・安心な社会実現に向け貢献する考えだ。

【「はるか」概要】
1.機種:災害廃棄物向け放射能濃度検査装置「はるか」
2.特徴:
(1)フレコンバックに梱包された災害廃棄物中の放射性セシウム濃度を測定可能
(2)不均一に充填された内容物(検体)にも対応
(3)放射性セシウム濃度に応じた検体の自動振り分け、ICタグの設置等でトレーサビリティーが可能
(4)コンテナユニット化によりコンテナごと移動でき、短期間の設置が可能
(5)土壌・汚泥などへの適用可 
3.測定期間:70秒以上/袋
4.測定範囲:500~100,000Bq/kg
5.製造工場:当社築港工場(大阪市大正区)
(日立造船株式会社プレスリリースより)

▼外部リンク

 

日立造船株式会社 プレスリリース
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2014/06/001289.html

応用光研工業株式会社 ホームページ
http://www.oken.co.jp/web_oken/indexjp.htm

一般社団法人環境放射能除染学会 ホームページ
http://khjosen.org/

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