東南アジアで生産されているパーム油。急速な需要拡大による環境汚染が進み、深刻な問題に発展している。
国際農林水産業研究センター(以下、JIRCAS)と、IHI環境エンジニアリング(以下、IKE)は6月19日、パーム油事業による汚染の軽減を目指す「パームプランテーション事業における環境対策技術の開発」に関する共同研究の契約を締結したと発表した。
既にパーム油製造に関連する処理技術の共同研究が進められており、このたび新技術開発の見通しが立ったため、改めて契約を締結した。今後はIHIの協力を得ながら、具体的な事業化を目指す。
(画像はプレスリリースより)
主にマレーシア、インドネシア、タイで生産されているパーム油だが、その製造工程で生じる環境汚染が問題となっており、早急な対策が求められている。
パームプランテーション(農園)から生じる汚染では、農園を拡張するために熱帯雨林が猛スピードで開墾されており、これによる自然破壊、伐採後のパーム古木放置による土壌汚染と汚染によって発生するメタンガスが深刻な問題となっている。
また搾油工場が生み出す汚染では、排水による水質汚染、汚濁された物質から発生するメタンガスがあり、これらへの早急な対策が求められている。
汚染問題の解決策として、JIRCASが開発した「POT(パーム古木)からの糖液搾汁及びセルロースの微生物糖化技術」と、IKEが開発する「POME(搾油工程での排水)のメタンエネルギー化技術」の2つの新技術を組み合わせて提供する。
これにより、パームプランテーションと搾油工場の双方に対して最新の環境対策技術と、放置されているバイオマスを有効に活用する技術の提供が可能となる
▼外部リンク
独立行政法人国際農林水産業研究センター、株式会社IHI環境エンジニアリングのプレスリリース
http://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2014/press.html