世界で初めて蓄電設備を導入
川崎重工業株式会社は東京モノレール株式会社のために、停電時の非常走行鉄道システム用地上蓄電設備を世界で初納入した。
今年で開業50周年となる東京モノレールは東日本大震災を経て、電力供給が止まった時に電車が駅間で停車した場合の乗客の安全性をどう確保するのかを検討してきた。
(画像はプレスリリースより)
駅間で停止したモノレールも移動が可能に
納入した設備は、東京モノレールの品川変電所と多摩川変電所に設置。停電のために駅間で停止した電車を近くの駅に自力走行させるための電力を供給する。システムは自社開発の大容量ニッケル水素電池「ギガセル(R)」20モジュール×2並列で構成している。
変電所へこの設備を導入することによって、全線で最大17編成が駅間に停車してしまったという非常時でも、最寄り駅へ乗客を安全に移動させることができる。
ギガセル(R)は、安全性に優れたニッケル水素電池だ。これまでの鉄道用電力貯蔵設備は省エネルギーが目的だったが、今回ギガセル(R)の大容量・高速充放電性能によって、世界で初めて営業運転での蓄電池による停電時非常走行が行えるようになった。
またチョッパ装置などの電力変換装置や制御装置無しで直結できるため、設備の低コスト化と小型化が可能だ。さらに制御装置等を必要としないため制御遅れや変換損失がなく省エネ効果が高い。
そのうえ信号設備に対して誘導障害の原因となる高調波を発生させない。
▼外部リンク
川崎重工業株式会社 ニュースリリース
http://www.khi.co.jp/news/detail/20140609_1.html