厚生労働省は5月29日、平成25年「職場における熱中症による死亡災害の発生状況」を公表した。
厚生労働省の発表によると、昨年に熱中症による労働災害で亡くなった人は30人。このうち建設業従事者は、9人だった。
今年の夏は、気温が平年より高くなるとも言われており、熱中症による労働災害の多発が懸念される。
(画像は、厚生労働省の報道発表資料より)
厚生労働省では、熱中症による死亡災害が多い建設業や建設現場の警備に携わる企業などに対し、特に次の4項目を重点事項にするよう通達を行った。
1点目は、「WBGT値」を測定し、基準値を超えそうな場合は適切な対策をとること。具体的には、簡易屋根やスポットクーラーの設置、作業時間の管理を行うとともに、単独で作業しないことが挙げられている。
特に、7月から8月の14時から17時の炎天下では、WBGT値が基準値を大幅に超えることが多い。その場合には作業を中止することも含めた、作業時間の見直しが必要だと呼びかけている。
2点目は、作業者に対して体調管理についての指導を行うこと。また、朝礼時に作業者の状態を観察し、体調不良が顕著な作業者には、作業場所の変更や作業内容の変更を行うことも奨励している。
3点目は、管理・監督者による頻繁な見回りを行うこと。作業者の自覚症状の有無に関わらず、定期的に水分と塩分の補給を促すこと。
4点目は、高温多湿の現場で初めての作業を行う場合には、体が慣れるまでの順化期間を設けること。
炎天下での作業では、本人が気づかないうちに熱中症にかかっている場合が多い。熱帯夜が続くと睡眠不足になりやすく、前日の飲酒や朝食を食べずに出勤するなど、夏場は体調を崩しやすい時期でもある。十分な体調管理と、早め早めの水分・塩分補給が大切だ。
▼外部リンク
厚生労働省の報道発表資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000047141.html