揺れの規模に対応する可変減衰ダンパーを導入
戸田建設株式会社(東京都中央区、社長:今井 雅則)は、地震の規模により制御可能な高性能免震装置「セミアクティブ免震システム」を開発したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
従来の免震装置は、減衰係数が小さければ建物が受ける力は小さくなるが、その代わり建物の変形は大きくなり居住性が失われるという欠点があった。
そこで、建物が受ける力(絶対応答加速度、せん断力)が、免震装置が元の位置から離れる時に大きく、元の位置に戻る時に小さくなる傾向に着目。
新開発の装置は、建物を支持する積層ゴム支承にセンサーを設置し、地震発生時、瞬時に揺れを解析し、地震の規模に応じて減衰係数を切り替え可能な可変減衰ダンパーを用いて、せん断力を小さくすると同時に建物の変形も効率的に抑える画期的制御システムだ。
(画像はプレスリリースより)
セミアクティブ免震システムの特長
まず、揺れの大きさに応じて減衰係数が調整されるため効果的に揺れを抑え、単独のセンサーで制御するため、誤作動に強い高性能システムだ。
次に、可変減衰ダンパーにより高い居住性を確保できるため、病院や住宅、生産施設等に特に効果的である。敷地内に建物が密集し、クリアランスが充分とれない都市型市街地にもうってつけだ。
さらに、単独センサー設置によるシステム構成から、取り付けや配線、メンテナンスも容易という手軽さも大きなセールスポイントになる。
居住性能を追求する病院・住宅中心に導入
同社は今後、病院や住宅など高い居住性能を要求される建物をメインに、この高性能免震装置を積極的に売り込んでいく考えだ。
▼外部リンク
戸田建設株式会社 プレスリリース
http://www.toda.co.jp/news/2014/20140513.html