東京五輪の主な会場となる新国立競技場について、建築家の伊東豊雄さんがシンポジウムを行い、新築計画の代案となる改修案を発表した。
国立競技場の新築計画は、当初より物議を醸している。プリツカー賞を受賞した世界的な建築家・伊東豊雄さんの提案が呼び水となって、更に議論を呼びそうだ。
代替え案の元となった新国立競技場のデザインは、2012年に行われたコンクールで、イラク出身・ロンドン在住のザハ・ハディド氏が選ばれた。
高さ70メートルの巨大な建築デザインで、施工費は当初の予算である1,300億円を大幅に上回り、最大で3,000億が必要ともささやかれている。
東京都の都市計画審議会は、20階建てマンションに相当する70メートル規模の新国立競技場を実現させるために、風致地区である神宮外苑の高さ規制を20メートルから75メートルへと、いつのまにか緩和してしまった。
(画像は、伊東豊雄「現国立競技場改修案」より)
伊東さんの考えは新たに競技場を作るのではなく、メインスタンドを解体し、2層から3層のスタンド席を増設するというもの。
既存施設を最大限に生かすことで、現在の収容数である約5万人から、オリンピック開催に必要とされる8万人規模にまでキャパシティを広げることができ、予算の大幅削減も可能だ。
日本スポーツ振興センターによると、ザハ・ハディド氏デザインの新国立競技場の維持費は、年間で41億円以上かかる。
伊東さんはシンポジウムで、
(東京新聞より)
と語った。
建替え案の内容は、「神宮外苑と国立競技場を未来に手わたす会」のホームページで公開されている。
▼外部リンク
伊東豊雄「現国立競技場改修案」
http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/_src.pdf
神宮外苑と国立競技場を未来に手わたす会
http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/