大成建設株式会社(東京都新宿区、社長:山内 隆司)は、国内広域大都市型デマンドレスポンス実証での電力ピークカット削減目標20%に対して、先進技術と次世代ビルエネルギーマネジメントシステム(以下、スマートBEMS)の活用により、削減目標を大幅に上回る最大33.2%削減を実現したと発表した。
この快挙を成し遂げたのは、同社が経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証事業」への取組みとしての技術センター(横浜市戸塚区)において実施したスマートコミュニティ実証事業だ。
実証地域の横浜市が推進する「横浜スマートシティプロジェクト(以下、YSCP)」の業務・商業ビル部門におけるデマンドレスポンス(以下、DR)実証に2013年から参加している。
当初は、削減要請に対する電力削減量により報奨金が付与されるインセンティブ方式であったが、2014年からオークション形式による「市場型入札方式」でのDR実証を進行中だ。
(画像はプレスリリースより)
スマートコミュニティ実証事業は「つくる」「ためる」「つかう」「かんがえる」の4つのコンセプトに基づき、各コンセプトにおいて創エネ、蓄エネ、それらを行う蓄熱、蓄電システムと全体システムを連動させ最適に制御・運用するスマートBEMSをフルに活用。
「つくる」レベルでは太陽熱集熱器と太陽光発電ではパネルを複数タイプ用意し電気と熱を創り、「ためる」レベルではそれらを蓄電池と温熱蓄熱器に蓄える。
他方、「かんがえる」レベルでまず、過去実績や気象予報を基に翌日の使用予定エネルギーを予測。DRとしてのピークシフトの要請により「ためる」レベルで蓄えたエネルギーをそれ以外の時間帯に振り替えて計画運転する。
さらに予測に基づく計画に沿って「つかう」レベルでのスマートDCオフィスやスマート人探知により正確に把握した在席情報を基に快適性を保ちつつ、空調・照明のエネルギーを削減する。
この事業内容において、YSCPビル部門での冬季(2013年1月)および夏季(2013年7~9月)に実施されたDR実証において、電力ピークカット率が冬季で平均22.9%・最大24.1%、夏季で平均28.7%・33.2%という高い実証結果が得られたという。
同社は、ビル単位・街区レベルなど大都市圏での省エネ、BCP対応はもちろんDRに適したスマート化技術の確立においても、この実証を通じて得た知見を活かすことで快適空間の創造とエネルギー最適利用の両立を図り、ますますスマートシティ構築へ向け貢献する意向を示した。
▼外部リンク
大成建設株式会社 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/2014/1353301537466.html
大成建設技術センター スマートコミュニティ実証事業
http://www.taisei.co.jp/301/644/2014042501.pdf
横浜スマートシティプロジェクト
http://www.city.yokohama.lg.jp/ondan/yscp/