清水建設は4月15日、「セシウム汚染土壌濃度分別装置」を富士電機と共同開発したことを発表した。
この装置は、設定した濃度に基づき、セシウム汚染土壌を高濃度汚染土壌と低濃度汚染土壌に分別する。
なお、中間貯蔵施設へのセシウム汚染土壌受け入れ時に使用する目的で開発され、3月末から福島県大熊町で行われている実証実験において、性能を確認中だ。
(画像はニュースリリースより)
中間貯蔵施設には、高濃度汚染土壌が投入される遮水構造を備えた貯蔵施設と、低濃度汚染土壌用の遮水構造がない2つの貯蔵施設が併設される。
土壌の含有放射能量の測定において、これまでの分別装置では計測の誤差がどうしてもでてしまい、評価については懸念があったという。
この装置は、汚染土壌を約0.2立方メートルのユニットにしてベルトコンベアに供給するフィーダー、土壌重量計測器、仕切り板、レベリング・ローラー、層厚(断面形状)測定機、放射線測定機、設定値に基づきユニットの投入先を切り替えるダンパーで構成されている。
ユニット重量を把握でき、形状も測定機で確認できるので、放射能量の計測誤差はわずかになる。さらに、1ライン、1時間あたり約30~100立方メートル処理できるのが特徴だ。
大熊町での実証実験では、新開発の「ウォータージェット破袋システム」を使って、分別の前工程となる除去物質入り土のう袋の破袋を行っている。
なお、装置の計測誤差が20%以下となることはすでに確認済み。従来の分別装置に比べて遮水構造を備えた貯蔵施設への投入量を約30%抑制できる見込みだ。
▼外部リンク
清水建設・ニュースリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2014/2014005.html