株式会社 熊谷組(本社:東京都新宿区、社長:樋口 靖)は、野原産業 株式会社(東京都新宿区、社長:野原 数生)、有限会社 泰成電機工業(長野県駒ヶ根市、社長:堀内一治)と共同で低床乾式遮音二重床工法『NSフロアーⅥ』を新開発したと発表した。
このほど開発された『NSフロアーⅥ』は、従来工法の床仕上げ高さを低床化でき、しかも、その性能はそのままに床衝撃音低減低下防止との両立を実現させた。
集合住宅で玄関・廊下・洗面所・トイレなどの仕上げ材として大理石、タイルが用いられる場面で、これまで最低限必要とされた床仕上げ高さ150㎜を約3分の2に抑えることができ、低床化が可能となったことで天井高さがない共同住宅のリニューアルにも対応が可能となった。
(画像はプレスリリースより)
従来工法の“NSフロアーⅢ”では無垢材の天然大理石を二重床の上に使用する場合は、石のひび割れ防止のため下地材に針葉樹合板を2枚貼りして用いねばならず、そのため床仕上げ高さも最低限150mm必要であった。しかし、新工法では森林保護の観点から下地材のうち1枚をガラス繊維不織布入りせっこう板に差し替え、それぞれ1枚貼りでの対応が可能となった。
(ガラス繊維不織布入りせっこう板施工)
(画像はプレスリリースより)
また、乾式二重床だと床衝撃音性能は低下するのが一般的だが、新開発の工法では支持脚の仕様を変更することで床仕上げ高さ100mmでも性能低下を起こさず、従来工法と同程度の床衝撃性能を確保できた。
支持脚の仕様変更とは具体的に次の通りだ。まず、壁際の端部には衝撃を吸収する防振ゴム製の支持脚を従前より短い間隔で数多く配置した上、端部の床材は粘着材の面積を大きめに使って強化した。
さらに、一般部に割りつける支持脚がコンクリート製標準床の上に直置きする仕様に対して、端部の支持脚はより硬度の強い70 °の防振ゴムを使用し、なおかつコンクリート製標準床に半分まで埋め込むことで安定性と高さ調整を図った。
(画像はプレスリリースより)
『NSフロアーⅥ』の床衝撃音低減性能、耐荷重性能とも、一般財団法人 日本建築総合試験所において、床衝撃音低減性能(軽量:ΔLL(Ⅱ)-3S、重量:ΔLH(Ⅱ)-2S、試験番号:ⅣA-13-0224)、耐荷重性能(等分布積載荷重:1960N/㎡で2㎜以下、 局部集中荷重は980Nで約1mm)とも実証済みである。
なお、『NSフロアーⅥ』のコストは、設計価格(材工)で15,000円/㎡の設定(床下地のみ、無垢大理石の材工価格含まず)、有限会社 泰成電機工業が製造、野原産業 株式会社が販売予定。
株式会社 熊谷組では今後、特に需要が見込まれるデベロッパーや設計事務所等を中心に、集合住宅の石貼り仕上げの乾式二重床を用いる際の画期的ツールとして積極的に売り込む考えだ。
▼外部リンク
株式会社熊谷組 プレスリリース
http://www.kumagaigumi.co.jp/press/2014/pr_140402_1.html
野原産業 株式会社 プレスリリース
http://www.nohara-inc.co.jp/topics/2014/0404.html
有限会社 泰成電機工業/万協 株式会社 プレスリリース
http://bankyo.co.jp/activity/specialfloor/05.html