東亜建設工業株式会社(東京都新宿区、社長:松尾正臣)は、自社作業船に「作業船設備診断システム」を導入した。
このシステム導入によって、主要設備の状態を常に詳細に把握、早期に適切に対処することでコストを必要最小限に抑えることができるという。
すなわち、状態監視・劣化予測が可能になったことでメンテナンス効率も上がり、ひいては船舶の延命化も可能という結果につながった。
(画像はプレスリリースより)
大型船舶は大きな会社資産である反面、当然のことながらそれに見合った経費も必要となる。
つまり、複数の大型作業船舶を保有する企業にとっては、いかにライフサイクルコストを削減するかは重要課題である。これまでの技術では分析・評価に限界があり、不調が露呈するまで打つ手がなく余分な出費を免れなかった。
そこで、同社では大型ポンプや大型ウィンチなど主要設備としての回転機械に着目。
ジャパンマリンユナイテッド株式会社(東京都港区)及びその子会社にあたる株式会社IMC(同所)保有の予知保全技術を活用し、振動データと弾性波データを取得して状態監視する当該システム導入へこぎ着けた。
このシステムの特長はまず、振動計測とAE計測の併用により主要設備である回転機械の正確な診断が可能になったことである。
次に、PC用管理ソフトで常に状態を把握の上管理、劣化予測、高速フーリエ変換による分析が可能となったこと、それらにより設備の劣化兆候と異常原因を迅速に把握することが可能となったことである。
その結果、補修時期を事前に予測することで設備事故を防止し、保全コスト削減につながった、ということである。
特に大型ウィンチなどの回転機器は10rpm以下の超低速になった場合、従来、限界があった振動計測のみによらず、150rpm以下の低速回転時に測定可能なAE計測を試みようと傷、亀裂、摩耗などからより繊細な弾性波データを取得し、このAE計測を併用した低速回転軸受診断機を採用することでこれまでの課題を克服した。
(画像はプレスリリースより)
同社は、今後も継続的なデータ取得により状態監視を続け、その蓄積されたデータから、より高精度の劣化予測を目指すという。
さらに、オンラインシステムによる遠隔計測の実施も視野に入れ、さらなるメンテナンス効率向上に取り組むなど、ますます積極的に海洋事業を支援する考えだ。
▼外部リンク
東亜建設工業株式会社 プレスリリース
http://www.toa-const.co.jp/company/release/2014/140312.html
ジャパンマリンユナイテッド株式会社
http://www.jmuc.co.jp/
株式会社IMC
http://www.jmuc.co.jp/imc/