日立製作所株式会社(インフラシステム社:東京都千代田区)は、ダイキン工業株式会社(大阪市北区)、株式会社みずほ銀行(東京都千代田区)とともに、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「英国・グレーターマンチェスターにおけるスマートコミュニティ実証事業」の委託先と選定され、2014年4月から事業を開始することを発表した。
この実証事業は、2013年6月~12月末までの実施可能性調査に基づく計画で、2017年3月末までの3カ年での実施予定だ。
(画像はプレスリリースより)
この事業が成功すれば、日本のヒートポンプ暖房温水器、つまりヒートポンプ技術とICT関連技術の導入による英国のエネルギーシフトの推進と、低炭素化社会の実現に寄与する技術・システム実証が実現する。同時にそれがこの事業の目的でもある。
その目的達成のためのテーマとして1.住宅の小口消費電力を負荷調整能力として利用するアグリゲーションシステムの実証と、それを通じての2.ビジネスモデルの構築を目指す。
まず、電気式ヒートポンプとガスハイブリッドヒートポンプをモデル住宅に設置し、実施可能性調査の段階での、既存ガス燃焼温水器からヒートポンプへ置き換えた場合の暖房費・給湯費の削減効果を実証する。
次に、ヒートポンプの負荷を調整する「ヒートポンプアグリゲーション機能」とその負荷調整機能をまとめて電力市場と取り引きする「電力アグリーション機能」で構成される「アグリゲーション機能」を構築する。
ヒートポンプアグリゲーション機能で家族構成や生活パターンなど各戸別の需要家特性がエネルギー消費量、電力需要調整にどのような影響を与えるかを検証し、電力アグリゲーション機能では、そのヒートポンプの負荷調整能力を集約、電力取引の市場や事業者との売買を行うが、この事業では既存アグリゲーターとの連携システムを開発して擬似的な取引を試みる。
最後に、ヒートポンプ技術、アグリゲーション技術と疑似的な電力取引とを連携させICTシステムを構築する。
ビジネスモデル構築段階では、英国の電力取引市場関係者、ヒートポンプベンダー、アグリゲーターなどすべてのステークホルダーが満足できるWIN-WINの関係を成立させるビジネスモデルを提案し、実施可能性調査に基づく実証を行う。
実証中はもちろん、実証後にもビジネスモデルの検証を重ねていく。三社はその前提となるヒートポンプの普及・促進につながるようなモデルシーンを模索し、さらには政策面からのアプローチも推進する考えだ。
▼外部リンク
日立インフラシステム社 プレスリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2014/03/0313.html