西松建設株式会社(本社:東京都港区)は、株式会社安藤・間(東京都港区)、株式会社淺沼組(大阪市浪速区)、株式会社鴻池組(大阪市中央区)、西武建設株式会社(埼玉県所沢市)、株式会社錢高組(大阪市西区)、東亜建設工業株式会社(東京都新宿区)、三井住友建設株式会社(東京都中央区)、建設8社と共同し、CASBEEに準じて生物多様性への取り組みを、建築物の設計段階で評価するツール「いきものプラス」(商願2013-77265)を開発したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
これまでも、生物多様性の認定・認証制度として、ハビタット評価認証制度(FHEP)、社会・環境貢献緑地評価システム(SEGES)など既存システムも複数あるが、この「いきものプラス」は建設設計者ならではの視点に基づき開発された点がユニークだ。設計段階から生態系に配慮した建設計画が可能となる。
このツールの特長は、1.設計者が敷地情報や取り組み内容をパソコン入力するだけで、生物多様性に関する項目の点数を即算出、2.植栽植物ガイドなどのデートと連動して動植物との連関図を表示、3.このツールを活用することにより、顧客に対し生物多様性配慮型の建築物の提案が可能となり、環境保護の視点からの新たな商品価値をアピールできる。
仕様は評価機能と付加機能から構成されるが、評価機能については原設計案もしくは設計イメージに沿って数値を入力できる仕様にしたことで、生物多様性を意識した設計図が描ける。
そして、その結果もCASBEE対応型評といきものプラス評価とで異なった基準に基づき2種類で算出されるので、単に評価点によらず基準を重視しての比較検討も可能だ。
さらに、付加機能においては、1.敷地、建物の推奨緑化面積を表示、2.計画地の潜在自然植生の情報に基づく「推奨植栽植物種」が確認できる、3.植物種とそれに誘引される鳥類・蝶類等の動物の代表的な種との連関図が表示され、生物間ネットワークが確認できる、4.計画地に誘致できる可能性のある鳥類の代表的な種(誘致種)を表示できるなど、動植物のイラストも織り込み、完成後の姿をイメージしやすい充実の機能だ。
「いきものプラス」は、国の生物多様性に関する基本的方針「生物多様性国家戦略2012-2020」で求められる、生物多様性に関する客観的な評価が可能な、科学的基盤の強化という要請に応える形で開発された。
今後、共同8社はこのツールを生物多様性への取り組みとして積極的にアピールしていく考えだ。
▼外部リンク
西松建設株式会社 プレスリリース
http://www.nishimatsu.co.jp/news/2014/prel0305.html