JFEエンジニアリングが開発した「ハイブリッド防潮堤」が、宮城県気仙沼港の津波対策工事に採用された。岩手県の山田漁港に続いて2件目の受注となる。
宮城県気仙沼港の津波対策事業は、海抜2.0mの高さしかなかった既存のコンクリート防潮堤を、海抜7.2mの高さの新防潮堤に整備する工事である。
JFEエンジニアリングが受注したのは、防潮堤計画の1期出件分となる300m区間の堤体製作・輸送作業。防潮堤の本体を今年8月頃までに工場にて製作し、その後現地に搬入する予定だ。
(画像はニュースリリースより)
新防潮堤の整備工事は、臨海道路に沿った狭く長いエリアに短期間で設置する必要があるため、“占有面積の省スペース化”と“現場工事期間の最短化”の2つの条件をクリアしなければならない。
「ハイブリッド防潮堤」は、鋼材とコンクリートから成る“直立型”を採用。土地占有面積は“盛土構造”の防潮堤の約20%と、大幅な縮小を実現した。
また、現地で基礎鋼管杭を施工している間に、工場で堤体ブロックを製作(プレファブ)するため、基礎杭施工完了後、数日で堤体と基礎の一体化が完了する。既存のRCコンクリート製の直立防潮堤と比べると、現地工期を約60%に短縮できる。
現在、被災地域の復旧、復興工事は急ピッチで進められているものの、資機材や人手不足は深刻で、なかなか改善が見られないのが現状だ。
JFEエンジニアリングでは、現場の作業量を最小限に抑えることが可能な「ハイブリッド防潮堤」の提供を通じて、今後も東北地域の復興事業に貢献する方針だ。
▼外部リンク
JFEエンジニアリング株式会社のニュースリリース
http://www.jfe-eng.co.jp/news/2014/20140310093032.html