建物の建て替え時に、地中にある既存杭を新築建物の基礎として再利用する際には、健全性評価が不可欠だ。株式会社大林組(以下:大林組)は、この健全性評価を定量的に行う方法を開発し、一般財団法人日本建築センターの一般評定を取得したことを発表した。
今回、同社が開発した評価法は、多数の杭の計測データに基づく損傷度評価の指標を用い、健全性の程度(ひび割れの大きさ)を、非破壊試験(以下:弾性波探査)の結果から、簡単・迅速かつ合理的に定量評価できるようにしたものだ。
(画像はプレスリリースより)
現在、健全性の確認には、主に、弾性波探査が用いられている。これは、杭頭部を軽打した際に発生する弾性波の反射性状を測定して行うものだが、評価にあたっては、経験に基づく高度な判断が必要な上、評価結果が個人の技量に左右されてしまう。
大林組が新たに開発した評価法は、既存杭の損傷程度をより正確に定量的に評価できるのが大きな特徴。過去の実測データから求められた、2つの損傷度指標の分布図に、評価したい弾性波探査の結果を座標で示して評価を実施する。
この評価法は杭基礎を用いた建物の大部分に適用できるもので、場所打ちRC杭、PHC杭、鋼管杭の評価が可能だ。
杭基礎建物の建て替えにおいて既存杭が再利用できれば、工期やコスト、環境面でのメリットは大きい。大林組は、今後、この評価法活用による既存杭の利用を推進していきたいとしている。
▼外部リンク
地中にある既存杭の健全性を定量的に評価する方法を開発
https://www.obayashi.co.jp/press/news20140306_01
株式会社大林組
https://www.obayashi.co.jp/