巨化グループ傘下のZEDC社経由で、中国へ進出
日揮株式会社(以下:日揮)は2月26日、中国の浙江工程設計有限公司(以下:ZEDC社)との間で、自社開発の「硫化水素及び水硫化ナトリウム製造プロセス技術」のライセンス契約を結んだ。
硫化水素は、硫黄を含む化合物を製造する際の原料物質。近年特にエンジニアリングプラスチック(PPS)と、メチオニンに使われることが多くなっている。
エンジニアリングプラスチックは、家電・電気製品に利用されており、メチオニンは必須アミノ酸として家禽用飼料に添加されるため、今後世界での需要は3,000億円規模が見込まれている。
(画像は、日揮のホームページより)
純度99.9%以上の硫化水素製造技術
日揮が開発したのは、硫黄と水素を熱反応と触媒反応の2段階で反応させて、99.9%以上の高純度の硫化水素を作る技術。同時に、硫化水素を原料として水硫化ナトリウムを製造するプロセスの開発にも成功した。
この技術の特徴であるコンパクトさと安全性の高さが認められ、日本国内では既に5基のプラントが建設されている。
中国での契約先となるZEDC社は、温室効果ガスを削減するためのCDM (クリーン開発メカニズム) 事業を通じて関係を深めている巨化グループ傘下の企業。今後はZEDC社経由で中国でのライセンス活動を展開していく。
現地企業を経由した自社開発技術のライセンス展開事業は、日揮にとっては初めてのビジネスモデル。巨化グループの広範なネットワークを活用し、中国事業の拡大を推し進めていく方針だ。
▼外部リンク
日揮株式会社のニュースリリース
http://www.jgc.co.jp/jp/01newsinfo/2014.html