川崎重工業株式会社(以下:川崎重工)は、ガスタービンに搭載される同社独自の追い焚き燃焼方式を利用したDLE(ドライ・ロー・エミッション)燃焼器について、体積当たり60%の水素ガス混焼時に、NOx値を、天然ガス焚きと同程度の25ppm (O2=15%換算)以下に抑制する技術を開発した。
これは、世界で初めてとなる技術で、同社はこれを適用して自社開発した30MW級高効率ガスタービン「L30A」を、2015年度に市場投入する予定だ。
(画像はニュースリリースより)
水素ガス混焼ガスタービンは、石油精製工場や石油化学工場から発生する未利用の副生水素ガスを有効利用し、天然ガスの使用量を低減、CO2を削減するもの。今回、川崎重工が開発した技術は、発生する副生ガスの状況により、水素ガスの体積当たり0~60%(熱量換算0~30%)の任意の割合で、ユーザーが利用量を調整できる。
川崎重工は、これまでパイロットバーナ、メインバーナ、追い焚きバーナの多段バーナ構成によるDLE燃焼器を開発、実用化している。DLE燃焼器は、燃焼温度を低く制御することでNOx排出量を削減する方式だが、燃焼が不安定になるという課題があった。
そこで、これをベースに、パイロットバーナとメインバーナは天然ガスを使用し、安定性のある追い焚きバーナを水素ガス焚き用に改良。これにより体積当たり60%(熱量換算30%)に相当する水素ガス混焼を実現した。
(画像はニュースリリースより)
今回の技術については、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の高温高圧燃焼試験設備にて、低NOx性能が確認されたという。
川崎重工は、今後もNOxに対する排出規制の強化が予想される中、DLE燃焼器により、さらに低NOx化技術開発を進めていくとしている。
▼外部リンク
低NOx水素ガス燃焼技術を開発 高効率ガスタービン「L30A」
http://www.khi.co.jp/news/detail/20140220_1.html
川崎重工業株式会社
http://www.khi.co.jp/index.html