清水建設、掘削作業をしながら地山状況を探査するシステムを開発

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清水建設、掘削作業をしながら地山状況を探査するシステムを開発

2014年01月29日 21:00

短期間、低予算で山岳トンネルの地山状況を評価

清水建設は1月27日、山岳トンネルの施工管理の効率を高めるために、「切羽前方探査システム」を開発したと発表した。

トンネル工事では、掘削部前方の地山の状況を正しく予測することが安全面でも、効率面においても重要となる。しかし、現在行われている先進調査ボーリングや反射法弾性波探査では専用機材を使う必要があるため、掘削作業の中断や探査費用が高額になるといったデメリットがあった。

「切羽前方探査システム」は、このようなデメリットを解消するために考えだされたもので、掘削作業を進めながら地山の状況を評価する新たなシステムである。

(画像はニュースリリースより)

掘削振動の反射波で、地山状況を解析

「切羽前方探査システム」は掘削作業に使用する重機や資材をそのまま探査に利用する。このため掘削作業を中断せずに、地山状況を予測できるのが最大の特長である。

新システムによる探査で、地山の性状が変化する地点が検知された場合にのみ、先進調査ボーリングなどで地山情報を収集する。これにより、掘削作業の中断期間と地山情報の探査費用を最小限に抑えることが可能になった。

地山内を伝わる振動は、地山性状が変化する地点で反射して戻ってくるという特性がある。探査ではこの特性を利用し、掘削機に発信センサー、既設ロックボルト頭部に受振センサーを設置し、センサーが受信した振動データをパソコンで解析する。

十九渕第一トンネルで実証実験

「切羽前方探査システム」は、清水建設が施工中の近畿自動車道紀勢線十九渕(つづらぶち)第一トンネル工事に採用され、システムの有効性が確認された。

十九渕第一トンネルの実験では、新システムが検知した地山性状が変化している地点と、実際に掘削をして地山の変化を確認した地点が一致することが実証できた。

さらに、切羽前方約50mまでの高い精度で検知できること、システムの設置から探査、撤収までの時間が30分程度しかかからないこともわかり、山岳トンネルの施工管理が今まで以上の合理化できることも確認された。

清水建設は今後、新開発の「切羽前方探査システム」を山岳トンネルなどの工事受注で積極的に提案していく方針だ。

▼外部リンク

 

清水建設株式会社のニュースリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2014/2013056.html

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