戸田建設 騒音・振動・CO2の発生が少ない「コンクリート構造物破壊技術」を開発

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戸田建設 騒音・振動・CO2の発生が少ない「コンクリート構造物破壊技術」を開発

2013年12月29日 11:00

水の凍結膨張圧利用で大型重機不要

戸田建設株式会社(以下:戸田建設)は、24日、水の凍結膨張圧を利用した「コンクリート構造物破壊技術」を開発したことを発表した。

これは、戸田建設と、株式会社精研とで共同開発した独自技術。都市部における、鉄筋コンクリート構造物解体工事の際、大型ブレーカなどの重機が不要になるとともに、周囲への騒音・振動負荷を大幅に軽減でき、CO2の発生も抑えられるという。

(画像はニュースリリースより)

解体工事における周辺への騒音・振動負荷を軽減

都市部の建築工事では、ほとんどが既存建物の解体工事を伴い、最近は大型鉄筋コンクリート部材を解体する事例が増えてきている。

特に、地下の大型基礎の解体は、通常の圧砕機では爪幅が足りずに噛み砕くことができないため、大型ブレーカによる打撃を繰り返して破砕するのが一般的だが、大きな打撃音、振動、粉塵などが連続的に発生するという問題点がある。

そこで、今回、「コンクリート構造物破壊技術」が開発された。

この技術では、まず、コンクリートに一定間隔で施した小径孔に水を充填し、冷媒を循環させて凍結させる。これによって発生した凍結膨張圧で、鉄筋周りのかぶりコンクリートが破砕・除去されるとともに、部材の内部に亀裂を貫通させることができる。

その後、外周に露出した鉄筋をガス溶断することにより、ブロック状に分断することが可能となる。

(画像はニュースリリースより)

実験の成果を実物件において展開

破壊実験では、高さ1m、幅1m、長さ1mの鉄筋コンクリート部材(鉄筋量:0.97%)を用い、一定間隔で削孔した小径孔に水を充填、冷凍機で約マイナス30度まで冷却した冷媒(塩化ナトリウム水溶液)を循環させて冷却した。

その結果、冷却開始後、1.5時間でひび割れが発生し、3.5時間でひび割れの拡張が終了、最大で3.46mmのひび割れの発生が確認された。

戸田建設は、効率的な作業性を実現できるだけでなく、環境にもやさしいこの技術を、今後、実物件において展開していく予定だという。

▼外部リンク

 

水の凍結膨張圧を利用した「コンクリート構造物破壊技術」を開発
http://www.toda.co.jp/news/2013/20131224.html

戸田建設株式会社
http://www.toda.co.jp/

株式会社精研
http://www.seikenn.co.jp/

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