政府が昨年度よりも公共事業費を減額する方向で検討している2014年度当初予算案の基本方針の原案について、政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は5日議論を行った。
4兆円を上回る収支改善を図ることを目標に、財政健全化が緩まないよう、より歳出抑制を図ることを掲げ、公共事業については財政健全化と両立した社会資本整備を実現することを求めた。
公共事業費は民主党政権下で削減が続き、現政権となった13年度は4年ぶりに増えていたが、財務省では消費税増税を控え、「聖域なく歳出を見直すべき」との考えから、14年度の公共事業費を13年度当初の5兆2853億円から減額する方向で検討しているという。
12月に編成予定の13年度補正予算案に計上する公共事業費と合わせれば、十分な額が確保できると考えているからだ。
ただ、政府、与党内には当初予算での減額に対し「国土強靱化(きょうじんか)のため、防災対策を進めるべき」「景気の腰折れ材料になる」といった反発の意見も出ており、削減幅をめぐって攻防が激化することは確実だ。
政府が調整している14年度予算編成の基本方針の中で、公共事業については「選択と集中」「優先順位の明確化」「民間能力の活用」の三つの大原則を掲げており、インフラの老朽化対策については、11月29日にまとめた長寿命化計画に基づき、国や地方自治体が維持管理することで、コスト縮減を目指すとしている。
また、国土強靱化に関しては、巨大地震などの大規模災害への備えを進めるため耐震化工事など進める考えを示しており、必要性の高い事業を優先し、民間の資金やノウハウも活用して効率化を図ることが盛り込まれた。
▼外部リンク
首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/
内閣府 第25回経済財政諮問会議会議資料
http://www5.cao.go.jp/