株式会社フジタは、5日、維持管理不要型の水質浄化技術「フェスタ工法」を池全体の浄化に適用する実証試験を実施し、水域面積の5%にあたる水質浄化用植生浮島で、アオコの発生を抑制、水質改善効果を持続できることを実証したと発表した。
実験は、株式会社アコーディア・ゴルフが神奈川県厚木市で運営する大厚木カントリークラブ桜コースの修景池において、抽水植物(根が水中の土など基盤の中にあり、茎や葉が水面から上に伸びている水生植物)のみを植栽した浮島を使用して行われた。
(画像はニュースリリースより)
「フェスタ工法」は、抽水植物や沈水植物(植物体全体が水中にあり、水底に根を張っている水生植物)を植栽した植生浮島を使用して、水辺生態系を創出・再生し、湖沼やため池などの水質浄化を行う低炭素技術。
浄化性能は、これまでの実証試験で確認していたが、浮島や水底に繁茂した沈水植物は、刈り取りや、アメリカザリガニ等の外来生物の食害に対する生育管理が必要になり、維持管理コストや水上作業の安全性が課題となっていた。
今回の実証試験では、クラブハウスの浄化槽処理水が流入し、富栄養状態のゴルフ場修景池2,000平方メートルに、抽水植物のみを植栽した浮島を2009年9月から設置し、4年間モニタリング調査を実施。
その結果、実施前と比較して、夏季の植物プランクトン濃度が約77%削減、池の透明度が改善された。
(画像はニュースリリースより)
これによって、沈水植物の刈り取りや補植などの維持管理ばかりでなく、浮島に繁茂した抽水植物の生育管理も不要になるという。
フジタは、今後、設置が容易で動力や維持管理コストが不要な「フェスタ工法」を、湖沼やため池、都市公園や民間施設の池などの水質改善や水辺生態系の保全に提案していくとしている。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
維持管理不要でアオコ発生抑制と水質改善の浄化技術を確立
http://www.fujita.co.jp/information/news/001667.html
株式会社フジタ
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