日産自動車株式会社は、今年7月に家庭用の「LEAF to Home」電力供給システムを応用した「Vehicle to Building」システムを開発し、実証実験を開始したことを、11月29日付けで発表した。
「Vehicle to Building」は、複数の「日産リーフ」を同時に接続し、オフィスビルやマンションなどの建物に電力を供給するシステムだ。
大口の電力を使用するオフィスビルやマンションでは、ピーク電力に応じて電力料金が決められているが、このシステムでは、電力需要がピークになる前に「Vehicle to Building」 を介して「日産リーフ」から給電、ピーク時の電力消費をカットし、電力料金削減を可能にする。
(画像はニュースリリースより)
「LEAF To Home」は「日産リーフ」からの電力をPCS(Power Control System)を介して単相200Vで家庭へ供給するシステム。
それに対し、今回の「Vehicle to Building」では、最大6台の「日産リーフ」を同時に接続し、3相200Vでビルの配電盤へ電力を供給することで、より多くの電気を効率的に流すことが出来るシステムとなっているという。
実証実験は、今年7月より、厚木市にある日産の先進技術開発センターにおいて開始しているという。
実験では、従業員の通勤用「日産リーフ」6台を使用し、電力需要の少ない時間帯は「日産リーフ」へ充電、電力需要の多い時間帯(13~16時)には「日産リーフ」からビルへ電力供給し、ピークカットを実現。更に、従業員の帰宅時間に合わせて「日産リーフ」の充電も行う。
その結果、従業員の通勤利用を妨げることなく、夏期の電力ピークを最大25.6kW下げることを可能とした。これは、先進技術開発センターでのピーク時の電力約2.5%削減に相当。東京電力 高圧契約による試算値で、年間約50万円の電力料金低減効果になるという。
日産は、今後、システム運用面での課題を洗い出し、社外での実証実験へと繋げていくとしている。
▼外部リンク
日産自動車、電力給電「Vehicle to Building」システムを開発
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2013/
日産自動車株式会社
http://www.nissan.co.jp/