国土交通省が10月10〜20日にかけて全国の建設業者に行った調査により、建設技能労働者は全8職種において不足傾向にあることがわかった。特に「型わく工(土木)」の不足率が高まっている。
(画像は国土交通省HPより)
国土交通省は毎月、建設技能労働者の需給状況を職種・地域別に調査している。この取り組みにより建設業者の技能労働者確保に寄与し、円滑な公共事業および建設労働対策をすすめるための基礎資料ともなる。調査対象となるのは、資本金300万円以上の建設業者約3000社。今回の調査では、1304社より回答があり、計3万2832名の技能労働者が調査対象となった。
注目したいのは、技能労働者8職種のうち「型わく工(土木)」の不足率が7.3%と高い数値になっていることである。全8職種のうちで不足率が最も高く、前月から4.1ポイントも増加している。8職種中5職種で前月からの不足率が改善しているものの、全体としては前月よりも0.1ポイント高い2.6%の不足となっている。
(画像はプレスリリースより)
地域別で見ると、特に働き手が足りていないのが北海道だ。10月の不足率は6.5%で前月よりも1.9ポイント、前年同月と比べると4.5ポイントも増加しており、技能労働者の不足状況が深刻になっていることがわかる。一方、東日本大震災以降、建設関連需要が大きく高まっていた東北地域は10月の不足率が2.0%と、前月より増加したが前年同月と比べると全国で唯一改善している。
(画像はプレスリリースより)
今後の技能労働者の確保に関する見通しはあまり楽観視できるものではない。8職種全体の12月における労働者確保の見通しは「困難」と「やや困難」が合計42%にもおよび前年よりも16ポイント以上も上昇している。今回の調査結果により、労働者の確保に頭を悩ませている建設業者が増えているという現状がうかがえる。
▼外部リンク
国土交通省 ホームページ
http://www.mlit.go.jp/index.html
国土交通省 プレスリリース
http://www.mlit.go.jp/common/001019958.pdf