JSR株式会社(以下「JSR」)は、MOL Hungarian Oil and Gas Public Limited Company(以下「MOL」)とハンガリーにて溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S-SBR)の製造・販売を行う合弁会社を設立することに合意したことを発表した。
合弁会社の設立にあたっては、JSRが51%、MOLが49%を出資。製造プラントは、ハンガリー国ボルショド・アバウーイ・ゼンプレーン県に設置され、年産6万トンの生産能力を確保する。
製品の販売開始は2017年の予定。今後の需要動向によっては、能力増強することも検討しているという。
中欧のハンガリーは、大手タイヤメーカーの集積地である西欧や、タイヤ生産の拡大が見込まれる中東欧、ロシア連邦、トルコ共和国に近いことに加え、国内にも大手タイヤメーカーが進出し、市場へのアクセスに優れている。
また、MOLは中東欧を代表する石油・ガス会社であり、S-SBRの原料を合弁会社に安定的に供給することができる。今後、MOLの工場インフラと、JSRのS-SBR製造技術、販売網を活用し、共同経営を行っていく。
JSRのS-SBRは特徴的な分子構造により、業界トップレベルの低燃費特性、ウェットグリップ性能を有しており、エコタイヤと呼ばれる低燃費タイヤの原料として、国内外で高い評価を受けている。
世界的な自動車燃費規制やCO2排出規制の強化、日本、欧州、韓国におけるタイヤの低燃費性能の格付け制度普及等を背景に、低燃費タイヤ向けS-SBRは需要拡大が見込まれている。
JSRグループではその需要に応えるため、今年、タイの合弁会社JSR BST Elastomer Co. Ltd.で年産5万トンの生産能力を持つプラントを稼働。2016年には年産10万トンの供給体制を整えることを計画中だ
同社は、これに加え、今回ハンガリーの事業拠点を確保することで、グローバルな供給体制を構築し、S-SBR事業の一層の拡大を図っていくとしている。
▼外部リンク
JSR、ハンガリーでのS-SBRの製造について
http://www.jsr.co.jp/news/0000500.shtml
JSR株式会社
http://www.jsr.co.jp/