株式会社日立製作所は、21日、カナダの大手電力会社であるサスカチュワン州電力公社(以下「サスクパワー社」)と、石炭火力発電所の排出ガスからCO2を回収する実証試験向けの設備(Carbon Capture Test Facility・以下「CCTF」)の建設を開始することを発表した。
この実証試験については、2012年3月にサスクパワー社と共同で実施することに合意していたもの。2014年秋頃には「CCTF」の建設を完了、2014年内には実証試験を開始する。
カナダでは、国を挙げて「CCS(CO2の回収・貯留)」技術の開発や実証試験を推進しているが、特にサスクパワー社は、様々なクリーンコールプロジェクトで「CCS」の技術開発を進めている。
一方、日立は、1990年代からCO2回収技術の研究開発に着手して以来、実証試験を積み重ねてきた。
今回の実証試験では、CO2回収技術の確立に積極的に取り組んできた両社が有する技術・ノウハウを集約し、「CCTF」で採取するデータをもとに、CO2の回収効率や回収に必要なエネルギー量など、大型の商用機を見据えたCO2回収技術全体の信頼性、経済性などを総合的に実証・評価する予定だという。
建設を開始した「CCTF」は、サスクパワー社が所有するサスカチュワン州エステバン市近郊のシャンド石炭火力発電所(298MW)から排出されるガスに含まれるCO2を、アミン液で吸収分離する化学吸収法を用いて、1日120トン回収する設備となる。
日立のグループ会社である「バブコック日立株式会社」とサスカチュワン州の「日立パワーシステムズカナダ社」が、日立独自のCO2吸収液「H3-1」の供給や、主要機器の設計・製造を担当する。
日立は、サスクパワー社とのクリーンコールプロジェクトを通じ、CO2回収の高効率化や低コスト化など、実用化に向けたさらなる技術開発に取り組むとともに、低炭素エネルギー技術の開発を進め、低炭素社会の実現に貢献していくとしている。
▼外部リンク
カナダでCO2回収実証試験設備の建設を開始
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株式会社日立製作所
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