水深180mでの試験で問題なく電力を供給
独立行政法人海洋研究開発機構と三菱重工業株式会社が共同で開発した新型の海中燃料電池システムの実海域試験成功が発表された。
(画像はプレスリリースより)
この燃料電池システムは固体高分子形の高効率マルチ・レス(High Efficiency Multi Less:HEML)燃料電池システム。海中機器を長時間稼働させる電源として、海中環境状況下で作動することを基本に高効率化・小型化・高信頼性化に重点をおいて開発された。
試験は海洋研究開発機構の海洋調査用曳航体「ディープ・トウ」に搭載し水深180mまで潜行させることによって行われた。2つの観測機器に同時に電力を供給した結果、安定的な電力供給と継続的な観測が確認された。
今後、実用レベルの開発に向け取り組み
近年、深海を含む海中の観測では装置の高精度化や観測期間の長期化などから必要とされる電力が増大しており、出力容量が制限される蓄電池ではまかないきれないという問題が生じていた。
今回、開発成功が確認された燃料電池システムはガス循環系に新たな構造を採用することによって、これまで実用化を妨げてきたシステムが小型化できないという課題や水素ガスの微量漏洩を阻止できない問題を解決。今後、本格的な実用レベルの開発に取り組む、とされている。
▼外部リンク
独立行政法人海洋研究開発機構 プレスリリース
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20131113/
三菱重工グループ ニュースリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/1311135445.html