この度、竹中工務店が同社技術研究所において、有機系太陽電池一体型ルーバーの実証実験を開始したことが発表された。
この有機系太陽電池一体型ルーバーは、三菱化学が、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて、現在開発しているもの。
(この画像はプレスリリースより)
今後の建築においては、さらなる低炭素化に向けて、「省エネ」と「創エネ」がより高度化していくものと考えられている。
「省エネ」においては、建築の外部ルーバーは、窓へ照り付ける日射をコントロールし、過剰な直達光の抑制により冷暖負荷をなくし、室内に適度な明るさを取り入れる機能が求められる。
さらに、「創エネ」の点からは、特に高層ビルにおいて、表面積の大部分を占める鉛直面での太陽光発電が求められている。
今回実証実験をおこなう有機系太陽電池一体型ルーバーは、この両方を実現するものとして期待されている。
竹中工務店は、有機系太陽電池一体型ルーバーの実用化に向けて、以下のような検証を実施する。
・風荷重等を勘案した構造計算
・デザイン性を高める意匠設計
・「省エネ」「創エネ」のためのサイズ、配置、角度制御の最適化
(プレスリリースより)
この実証実験は、日本で初めてとなる有機系太陽電池の外装材への適用を目指すもので、2013年10月より2年間の予定で実施される。
本年度は、室内において、熱・光と発電量を最適化するための実験をおこない、来年度は、外部環境に耐える構造や材料の仕様などを検討、屋外での実証実験をおこなう予定としている。
竹中工務店は、この実証実験を通して、三菱化学とともにデータ蓄積と改良を続けていく。そして今後は、低炭素化社会へ向けて、外壁面だけにとどまらず屋根面等への設置など、幅広い適用も視野に入れ、有機系太陽電池の開発を進めていくという。
▼外部リンク
竹中工務店によるプレスリリース
http://release.nikkei.co.jp