鹿島建設はこの度、施工中であった国道357号東京港トンネル工事が完了し、海底トンネルが貫通したことを発表した。
この海底トンネル工事は、泥土圧式シールド工法にて進められていた。
(この画像はプレスリリースより)
今回貫通した海底シールドトンネルは、東京都品川区の臨海副都心と大井を結ぶもの。この工事は、地上発進、地上到達で計画された、鹿島建設2例目となるものであった。
シールド工事は一般的に、発進点と到達点のそれぞれに深い立杭を設け、地下から地下へと貫通するものである。しかしこの場合、ある程度堀進した後に、後続台車などを地上から下ろす手間が生じるのが問題とされていた。
今回の工事においては、期間の大幅短縮が求められ、課題とされていた。この課題に対して鹿島建設は、地上から後続台車を連結して発進、そのまま地上へ到達する工法を取り入れることで、工期短縮を実現させた。
また、地上発進、地上到達の海底シールドトンネルは、発進部と到達部の地盤反力などにより、シールドマシンが安定しないという問題点もあった。
鹿島建設はこの問題に対して、2012年10月に地上発進・到達を実現させた北海道新幹線・津軽蓬田トンネルの知識をフル活用。無事に地上到達を達成させた。
さらに鹿島建設は、今回の海底シールドトンネルが小土被りで、かつ軟弱な粘土層を通過するという問題に対しては、新たな「ボックスダンプ工法」を考案・採用した。
この工法は、セグメント幅に合わせた床版を、セグメント組み立ての後方ですぐに設置するもので、従来工法の約半減の工程が実現し、安全性及び作業効率の向上にも貢献している。
▼外部リンク
鹿島建設株式会社によるプレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201310/28c1-j.htm