帝国データバンクは、企業単独財務ファイル「COSMOS1」(71万社・470万期)、企業概要データベース「COSMOS2」(144万社収録)の中から、未上場の建設業者を抽出し、地域別に売上高、売上総利益、労務・外注費比率などを調査・分析した結果を発表した。 この調査は昨年に続いて2回目だ。
調査対象は2013年10月時点で未上場の一般土木建築工事業、土木工事業、建築工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業などの建設業を対象としており、2012年度の年売上高が10億円以上の企業かつ過去3期(2010年度、2011年度、2012年度)の年売上高及び最終損益が判明している企業だ。
なお、地域は「北海道」「東北」「関東」「北陸」「中部」「近畿」「中国」「四国」「九州」の9地域に区分した。また 労務費は、企業により外注費に計上しているケースもあるため、労務費・外注費を合算したもので集計した。
(画像はプレスリリースより)
被災地の復旧や復興工事に伴う公共工事が増加したことや、消費税増税前の駆け込み需要によって、建設業界は回復しつつある。
その一方で工事量が増加しているなか、労務費や円安に伴う資材価格の高止まりが続いていることが、利益圧迫要因となっている。そのため職人不足で工期が遅れてしまったり、建設コストが上昇している現場が散見されたため、工事請負金額に価格を転嫁できない業者が増加している。
今回の調査では、未上場の建設業で2012年度の年売上高が10億円以上かつ過去3期の業績比較が可能な企業は全国で4184社あった。なお、復興工事に伴って2012年度の売上高は「東北」「北陸」が前年度比2ケタの大幅増加となった。
売上総利益率は全体では「低下した」と答えた企業が54.7%だ。その一方で、被災3県は62.4%の企業が「上昇」となった。売上高に対する労務・外注費比率については「東北」以外の8地域で上昇した。
▼外部リンク
2012年度未上場建設業4184社の経営実態調査結果
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0348321_01.pdf