清水建設株式会社はこの度、3Dスキャナを利用した「3D無人化施工支援システム」を開発したと発表した。
このシステムは、セシウム汚染土壌などの中間貯蔵施設や福島第一原子力発電所内の施工において、大幅なコストダウンを図ることを目的に開発された。
これまでの無人化施工システムは、2次元の映像に頼るものであったため、建設重機前面の平面映像情報と奥行き方向の映像情報を捉えるカメラ2台が必要とされていた。
このため、従来のシステムにおいては、建設重機前面の平面映像情報を捉えるカメラは無人化施工をおこなう重機に、奥行き方向の映像情報を捉えるカメラはカメラ専用車両に搭載されていた。
しかし、カメラ専用車両においては、それ自体が工事をおこなわず、かつ専用オペレーターが必要、さらには、最適な映像情報を必ずしも捉えることができないという問題点があげられており、代替手段が必要とされていた。
そこで、清水建設が開発したのが、3Dスキャナを利用した「3D無人化施工支援システム」である。この新システムにおいては、カメラ専用車両を必要とせず、コストダウンと施工効率の向上を図ることが可能となっている。
清水建設は、「3D無人化施工支援システム」を開発するにあたって、家庭用ゲーム機に用いられている簡易な3Dスキャナに着目した。
そして、業界で初めて、3Dスキャナがリアルタイムに処理する画像データをすばやく伝送する技術を開発したことにより、「3D無人化施工支援システム」を構築するに至った。
同システムはすでに、工場の建屋内での実証実験がおこなわれている。実験では、同システムを搭載した重機にて、さまざまな形状の木材の把持・移動・積み込み作業を実施した。
その結果、これまでの無人化施工システムと比較して、作業性能も同等以上を維持しながら、コストにおいても25%程度の削減が可能であると実証されることになった。
▼外部リンク
清水建設株式会社によるプレスリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2013/2013043.html