株式会社富士経済は、断熱・遮熱・蓄熱分野について調査し、結果を報告書「断熱・遮熱・蓄熱市場の現状と将来展望」にまとめた。報告書では、社会動向・政策動向・技術開発動向を踏まえて、断熱・遮熱・蓄熱市場の現状を把握し、関連するマテリアル16品目、それらマテリアルを用いた機器・システムのソリューション17品目について調査・分析を行った。
2012年の全体市場は5,479億円であった。2013年は復興需要や消費税増税前の駆け込み需要があるとして、各分野が拡大し前年比8.1%増の5,921億円が見込まれている。
断熱材はグラスウールや硬質ウレタンフォーム、押出法ポリスチレンフォームが中心となっている。また、ビーズ法ポリスチレンフォームは水産用途で多く使われている。
(画像は株式会社富士経済)
市場構成比4割以上の遮熱材は住宅用途が約85%であり、高機能サッシや高機能ガラスの構成比が高い。そのため今後もリフォーム需要を中心として、市場拡大が期待されている。遮熱塗料は、省CO2対策や省エネ対策につながるという点が注目されている。蓄熱と吸着材はまだ市場は小さいのだが、潜熱蓄熱材は需要拡大や新用途におけるアプリケーション開発も期待されており、2020年には2012年と比べて約3倍に成長すると予測されている。
2020年までに予定されている次世代省エネ基準適合義務化に向けて、各種断熱・遮熱材の需要増加が期待されており、今後も建築用途を中心とした市場拡大が予測されている。リフォーム向けには安価で簡易的な工法が求めらているため、材料価格が上昇していく中でどのように対応するかが重要視される。
2020年の全体市場は、2012年比19.5%増の6,550億円を予測している。いずれも省エネ性や高性能化といった機能性付与を目的に各種アプリケーションの開発が進められており、今後の持続的な低炭素社会の実現に向けて必要不可欠な要素であるため、安定的に市場が形成されていくと考えられている。
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株式会社富士経済
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「断熱・遮熱・蓄熱市場の現状と将来展望」目次
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