三菱重工業株式会社はこの度、熱核融合実験炉(ITER)プロジェクトにおけるトロイダル磁場コイル(TFコイル)2基の製作を受注したことを発表した。
三菱重工業は昨年、ITERのTFコイル1基の製作を受注しており、今回の受注は3基目となる。
(この画像はプレスリリースより)
ITERプロジェクトは、日本、欧州連合(EU)、米国、ロシア、韓国、中国、インドの7極が参加する大規模国際プロジェクト。
熱核融合実験炉(ITER)は、ITER国際核融合エネルギー機構(ITER機構)がフランス南部のカラダッシュに、現在建設を進めている。
このプロジェクトにおいては、独立行政法人 日本原子力研究開発機構(JAEA)が日本の国内機関(DA:Domestic Agency)として機器の調達を取りまとめている。
そして、三菱重工業が受注したTFコイルの製作は、JAEAから依頼されたものである。
ITERの主要機器となるTFコイルは、プロジェクトにおいて全19基(予備1基含む)で構成され、日本からの調達分は9基となっている。
三菱重工は現在、昨年度に受注した1基目のTFコイル製作に着手した。この製作では、三菱重工が超伝導導体を挟み込むためのプレート、コイル本体を入れる容器を担当し、三菱電機株式会社がコイルの巻線部を担当する。
三菱重工は、JAEAが1960年代から推進する核融合炉開発に早くから参画し、多くの開発関連装置の開発・製作をおこなってきた。そして今回も、これまでに培ってきた先進技術により、ITER国際プロジェクトに全力で取り組んでいく姿勢を見せている。
永遠の資源と、安全で環境負荷の少ない核融合エネルギーを実現するための核融合実験炉であるITERは、2020年の稼働が目指されている。
▼外部リンク
三菱重工株式会社によるプレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/1310105432.html