山大、重粒子線がん施設設置目指す
山形大は7日、学内設置を目指す「重粒子線がん治療施設」の設置推進協議会(議長・結城章夫同大学長)の会議を開き、2015年度に同施設の建設に着手し、18年度に治療開始を目指すとする構想を明らかにした。また、文部科学省の14年度予算の概算要求に治療装置の研究開発費などとして約10億円が盛り込まれたことも公表した。
同協議会は結城学長のほか、同施設の設置準備室長を務める嘉山孝正学長特別補佐や東北の経済団体、行政機関、医師会などの代表者で組織されている。
新施設の総工費は130~150億円見込む
今回の会議では、13、14年度に装置を開発し、施設本体工事は15年度に着手、18年10月から治療を開始するといった大まかなスケジュールを明かし、新施設を同大付属病院に接続する形で建設することなども説明した。
現在、国内で重粒子線がん治療施設があるのは群馬大など4カ所のみ。新施設に設置する装置の開発は東芝と三菱電機が共同で開発している。
14年度予算の概算要求の内訳は、省エネルギー・省スペース・廃棄物ゼロを特徴とした装置の開発に6億円、東北地方のがん治療拠点病院を結ぶネットワークシステムの開発に4億円となっている。
新施設の総工費は130億~150億円を見込んでいるが、資金の確保はめどがたっておらず、結城学長と嘉山学長特別補佐は「まずは国に予算を要求し、地元自治体や民間からの支援、寄付を募っていく」とコメントしている。
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