地震時の手術室・器材室の損傷を防ぎ、医療継続を可能にする
2018年3月8日、株式会社竹中工務店は、天井内蔵型の免震装置を介して手術エリア(手術室・器材室)を一体的に吊り下げ、床・壁・天井すべてを免震化する「手術エリア免震システム」(以下、同免震システム)を開発したと発表した。
病院の手術エリアを免震化するため、一般的には、建物全体を免震化する方法と、各部屋の床のみを免震化する方法があるが、床のみを免震化した場合には、免震化されない外周部床上の医療機器や器材が壁にぶつかり転倒・破損するために、部屋全体を有効活用できなかった。
また構造上、壁と床の間に隙間が生じるため、手術室の清浄度や気密性を損なうという課題もあった。
「手術エリア免震システム」の概要
同免震システムは、手術エリア(手術室および器材室)の床・壁・天井を一体的なフレーム構造として、天井部の空間に設置する免震装置を介して吊り下げる構造であるため、地震時には手術エリアに伝わる地震力を大きく低減し、床・壁・天井の全体が守られる。
このため、医療機器等の転倒・破損を防ぎ、地震直後からの手術や医療提供を継続できる。
さらに、平常時も高い気密性・清浄度を確保するとともに、床の揺れ幅を気にせずに、部屋の外周部にも医療機器などを置いて全体のスペースを有効利用できる。
また、建物全体を免震化する場合と比較すると、大幅にコストを低減できるうえに、導入工事も容易であり、既存施設でも診療活動への影響を抑えて、改修工事や将来的なエリア拡充も可能だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
竹中工務店 ニュースリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2018/03/02/index.html