放射線量が大幅に減少する可搬式遮へい材の実証実験
大成建設株式会社と日軽金アクト株式会社は、日軽金アクトが開発した可搬式遮へい材における有効性を確かめるべく、共同で実証実験を実施した。
この結果、期間困難区域における可搬式遮へい材使用範囲の空間線量率が大幅に低下したことを確認した。今後は、実用化に向けて、検討を進めていくこととなる。
(この画像はプレスリリースより)
可搬式遮へい材技術の概要
日軽金アクトは、これまでに、放射線量を大幅に低下させるタングステン添加アルミニウム複合板材「MAXUS-w(R)」を開発している。今回実験された遮へい材には、この「MAXUS-w(R)」が使用された。
その構造は、アルミニウムとタングステンの複合材がコア部分に用いられ、表面にはアルミニウム材を使用したサンドイッチ構造となっている。
今回実施した実証実験では、フレーム設置時の周辺放射線量率と、遮へい材設置時の効果の比較がおこなわれた。この結果、事後測定で放射線量率が大幅に低下していることが確認されることとなった。
可搬式遮へい材使用によるメリット
帰還困難区域など、50mSvl年を超過する線量下では、除染作業が推進されている。これは、除染作業員の被ばく線量を抑え、除染を円滑におこなう上でも重要なポイントだ。
今後、この可搬式遮へい材を実用化した場合、以下のようなメリットが期待できる。
・放射線減衰により作業員の被ばくを低減。
・遮へい材は手で持ち運べるサイズであるため、重機が入りにくい狭隘部や建屋内等にも設置可能。(フレーム+可搬式遮へい材をプレハブ方式で設置でき、設置がフレキシブル)
・遮へい材の表面はアルミニウムのため錆びにくく、野外で使用しても汚染物質等の環境負荷がない。
・耐久性があり、また表面へ付着した粉塵等も容易に洗浄が可能であることから再利用ができる。
・遮へい材は手で持ち運べるサイズであるため、重機が入りにくい狭隘部や建屋内等にも設置可能。(フレーム+可搬式遮へい材をプレハブ方式で設置でき、設置がフレキシブル)
・遮へい材の表面はアルミニウムのため錆びにくく、野外で使用しても汚染物質等の環境負荷がない。
・耐久性があり、また表面へ付着した粉塵等も容易に洗浄が可能であることから再利用ができる。
(プレスリリースより)
大成建設は今後、この可搬式遮へい材を、除染作業箇所や休憩施設等に活用し、作業員の放射線防護、安全管理の向上を目指していきたいという。
▼外部リンク
大成建設株式会社・日軽金アクト株式会社によるプレスリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2013/