2018年2月26日、株式会社大林組は、データセンターを対象に、省エネルギー設計技術「エコふわっとスキン」と、電源供給設備の合理的配置によりサーバー室の自由なレイアウトを可能にする設計技術「パワーインターハブ」を開発したと発表した。
データセンターは、IoTやクラウドサービスの普及・ビッグデータの活用拡大などで、取り扱うデータ量が加速度的に増加しており、一つのサーバーラック内に、より多くのコンピューターを集積できるようになっている。
このような状況で、データセンターのエネルギー使用量も拡大し続けており、より高い省エネルギー性能が求められている。
「エコふわっとスキン」は、外壁を二重して設けたスペース内に、冷たい外気をファンで屋内に給気することで屋内の暖かい空気を押し出す構造になっており、この際、開口部の空気抵抗を小さくして無動力で排気するとともに、二重スペースに押し出された暖かい空気は、密度差による浮力で上昇する煙突効果により屋上部から建物外へ無動力で放出される。
このため、排気に要する消費電力を大幅に削減することができ、データセンターの省エネルギー性能が向上する。
また、外壁を二重化することにより、建物の屋上や外壁に設置されていた排気ダクトなどが不要であるため外観がスマートになるうえに、屋上の空いたスペースに太陽電池を設置して再生可能エネルギーを活用することもできる。
「パワーインターハブ」は、電力供給専用フロアにはメガトラス構造を採用して柱のない大空間を構成し、配線用配管、ラックや電力を供給する電源ユニットを任意の場所に配置、配線できるため、サーバー増築時などでも最小限の工事で最適なレイアウトが可能だ。
なお、メガトラス構造は、メガトラスと外柱に緊結したロングスパン梁で重いサーバーを支持することで床の振動を抑え、各階で作業性の良いフレキシブルな無柱大空間を実現できる。
また、サーバー室と電力供給専用フロアが分かれた構造であるため、メンテナンス時などでも高いセキュリティー性を確保できる。
(画像はプレスリリースより)
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